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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

と大軽蔑の調子をもって飲み込んだ。「酒をもう一杯飲もう」と杯を出す。

「今夜はなかなかあがるのね。もう大分赤くなっていらっしゃいますよ」

「飲むとも――御前世界で一番長い字を知ってるか」

「ええ、前の関白太政大臣でしょう」

「それは名前だ。長い字を知ってるか」

「字って横文字ですか」

「うん」

「知らないわ、――御酒はもういいでしょう、これで御飯になさいな、ねえ」

「いや、まだ飲む。一番長い字を教えてやろうか」

「ええ。そうしたら御飯ですよ」

「Archaiomelesidonophrunicherata と云う字だ」

「出鱈目でしょう」

「出鱈目なものか、希臘語だ」

「何という字なの、日本語にすれば」

「意味はしらん。ただ綴りだけ知ってるんだ。長く書くと六寸三分くらいにかける」

他人なら酒の上で云うべき事を、正気で云っているところがすこぶる奇観である。もっとも今夜に限って酒を無暗にのむ。平生なら猪口に二杯ときめているのを、もう四杯飲んだ。二杯でも随分赤くなるところを倍飲んだのだから顔が焼火箸のようにほてって、さも苦しそうだ。それでもまだやめない。「もう一杯」と出す。細君はあまりの事に