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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

しかし脈には変りはないようだ。頭は熱いかしらん。これも別に逆上の気味でもない。しかしどうも心配だ。」

「こう自分と気狂ばかりを比較して類似の点ばかり勘定していては、どうしても気狂の領分を脱する事は出来そうにもない。これは方法がわるかった。気狂を標準にして自分をそっちへ引きつけて解釈するからこんな結論が出るのである。もし健康な人を本位にしてその傍へ自分を置いて考えて見たらあるいは反対の結果が出るかも知れない。それにはまず手近から始めなくてはいかん。第一に今日来たフロックコートの伯父さんはどうだ。心をどこに置こうぞ……あれも少々怪しいようだ。第二に寒月はどうだ。朝から晩まで弁当持参で球ばかり磨いている。これも棒組だ。第三にと……迷亭? あれはふざけ廻るのを天職のように心得ている。全く陽性の気狂に相違ない。第四はと……金田の妻君。あの毒悪な根性は全く常識をはずれている。純然たる気じるしに極ってる。第五は金田君の番だ。金田君には御目に懸った事はないが、まずあの細君を恭しくおっ立てて、琴瑟調和しているところを見ると非凡の人間と見立てて差支えあるまい。非凡は気狂の異名であるから、まずこれも同類にしておいて構わない。