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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

どうも敬々服々だ。碁はまずいが、度胸は据ってる」

「だから君のような度胸のない男は、少し真似をするがいい」と主人が後ろ向のままで答えるやいなや、迷亭君は大きな赤い舌をぺろりと出した。独仙君は毫も関せざるもののごとく、「さあ君の番だ」とまた相手を促した。

「君はヴァイオリンをいつ頃から始めたのかい。僕も少し習おうと思うのだが、よっぽどむずかしいものだそうだね」と東風君が寒月君に聞いている。

「うむ、一と通りなら誰にでも出来るさ」

「同じ芸術だから詩歌の趣味のあるものはやはり音楽の方でも上達が早いだろうと、ひそかに恃むところがあるんだが、どうだろう」

「いいだろう。君ならきっと上手になるよ」

「君はいつ頃から始めたのかね」

「高等学校時代さ。――先生私しのヴァイオリンを習い出した顛末をお話しした事がありましたかね」

「いいえ、まだ聞かない」

「高等学校時代に先生でもあってやり出したのかい」

「なあに先生も何もありゃしない。独習さ」

「全く天才だね」

「独習なら天才と限った事もなかろう」と寒月君はつんとする。天才と云われてつんとするのは寒月君だけだろう。

「そりゃ、どうでもいいが、どう云う風に独習したのかちょっと聞かしたまえ。