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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

「いつまで行っても同じ事じゃないか」

「それから床を出て障子を開けて、椽側へ出て甘干しの柿を一つ食って……」

「また柿を食ったのかい。どうもいつまで行っても柿ばかり食ってて際限がないね」

「私もじれったくてね」

「君より聞いてる方がよっぽどじれったいぜ」

「先生はどうも性急だから、話がしにくくって困ります」

「聞く方も少しは困るよ」と東風君も暗に不平を洩らした。

「そう諸君が御困りとある以上は仕方がない。たいていにして切り上げましょう。要するに私は甘干しの柿を食ってはもぐり、もぐっては食い、とうとう軒端に吊るした奴をみんな食ってしまいました」

「みんな食ったら日も暮れたろう」

「ところがそう行かないので、私が最後の甘干しを食って、もうよかろうと首を出して見ると、相変らず烈しい秋の日が六尺の障子へ一面にあたって……」

「僕あ、もう御免だ。いつまで行っても果てしがない」

「話す私も飽き飽きします」

「しかしそのくらい根気があればたいていの事業は成就するよ。だまってたら、あしたの朝まで秋の日がかんかんするんだろう。全体いつ頃にヴァイオリンを買う気なんだい」とさすがの迷亭君も少し辛抱し切れなくなったと見える。