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てつがくのげんだいてきいぎ
哲学の現代的意義
戸坂 潤
「唯物論研究 第六〇、六一号」1937(昭和12)年10月、11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,718 字 · 45 页
サント・ブーヴは恐らくそういう場合に該当しはしないかと思われる。
だが、印象批評に対する抑々の飽き足りなさは、それの客観性・科学性・の欠乏であり、或いは寧ろ、客観性・科学性・の保証を欠いているということだった。批評の科学性の要求を充すに足りないということだった。では之に対立する文献学的批評は、批評の科学性を保証するかと云うと、之亦必ずしもそうではない。それは文献学的な判断を下すことが出来る。それが文献学的な一致と公共性とを有つ限り、一応科学的な批評でないとは云えない。だが科学的であることの終局の価値は、当の事物を最もリアリスティックに理解し説明出来るということだろう。そこへ、古典的な既成尺度を持ち出して来るのでは、成功すると決めてかかるわけには行かないのだ。
批評の科学性のためには、文献学的な知識を勿論必要とする。だがそのためにも、まず歴史的(歴史記述的には止らぬ処の)認識が必要だが、歴史的認識はもはやただの文献学的知識ではない。文献学や解釈学を以て、歴史科学に代えることは出来ないからだ。つまり批評の科学性には、社会的・社会科学的・認識が根柢に横たわっていなくてはならぬ、という或る人々にとっては自明な、又或る人にとっては自明すぎるが故に却ってよく判っていない、あの関係なのだ。