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こくさいさつじんだんのほうかい

国際殺人団の崩壊

海野 十三

「新青年」1931(昭和6)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,767 字 · 31 页

青空文庫

会合は、科学協会としての例月の打合わせ会であったのであるが、議事が一ととおり済んでしまうと、鬼村博士が、やおら、ずんぐりと太い身体をおこして立った。

「みなさん、例月議事は、これで終了いたしましたが、次に是非みなさんの御智恵を拝借したいことがあります。御承知でもありましょうが、近来どうしたものか、われわれ科学者仲間におきまして、不測の災害に斃れるものが少くない、いや、寧ろ甚だ多いと申す方がよろしいようであります。これにつきまして、この頃では、さまざまの臆説が唱えられて居るようでありまして、中には、これは科学者に共通な悪運が廻って来たものだと申し、或る者は殺人魔の跳梁であると申し、また或る者は偶然災害が続くものであって決して原因のあるものではないと反駁をいたしておるようなわけであります。私個人の考えといたしましては、どうも気が変になった犯人のなせるわざであると考えて居るのでありまするが、それが如何なる人物であるか、探偵でもありませんのでつきとめては居りませぬが、どうも一と筋縄や二筋縄で行かぬ人物であり、しかもその犯人は相当インテリゲンチャであると思うのであります。