轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
こくさいさつじんだんのほうかい
国際殺人団の崩壊
海野 十三
「新青年」1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,767 字 · 31 页
其内に識るともなく父鬼村博士の陰謀に気付き、夜に昼を継いで歎きかなしんだため、到頭ひどく身体を壊してしまった。だが、椋島技師の死刑が近いと聞いたので、彼女は片恋ながら、なにをおいても椋島を救いたく思い、それには、父博士によって、椋島技師の行状を有利に証言して貰うことができれば、必ず彼女の思いはとどくものと信じ、こうして生と死の境を彷徨する身体をここまで搬んできたのであった。
彼女の傍に立った鬼村博士は、急ににがりきった顔付になって、真弓子の痛々しい姿に、一言の憐憫の言葉もかけはしなかった。彼女は、いくたびかはげしく咳きいりながら、虫のような声でくりかえしくりかえし歎願し、椋島の助命を頼んだのであった。しかし父博士は一言も口を開かなかった。が真弓子が絶望のあまり、泣き声も絶えてその場に気を失ったとき博士は始めて口をきいた。
「松ヶ谷君、悪魔のしのび笑いを耳にしないかね!」
二発の銃丸が、消音短銃のこととて、音もなく博士の手から松ヶ谷学士と真弓子の脇腹に飛んだ――
「とんだことに、永く手間どらせた哩」と博士は呟きながら後を再びふりむこうともせず、そろそろと研究所の方へ引きかえして行った。