轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よせ
圓太郎馬車 正岡容寄席小説集
正岡 容
正岡容『圓太郎馬車 正岡容寄席小説集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:寄席、円太郎馬車、円朝花火、初看板。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,226 字 · 295 页
二
の小噺ひとつ覚えたまんまで、いくら前座でも、もうとって二十。落語家のはしくれで候と俺はすまし込んではいられない。
覚えることだ、早くまとまった噺をひとつでも、二つでも。
深く深く心に感じるところあって、にわかに、師匠助六のところへ、激しい稽古に通いはじめたのだった。
が――。
そのまた、稽古の辛いのなんのって。
二
師匠の雷門助六は、片目であったが、噺も巧く唄も巧く三味線まで器用に弾けて、いっぽうの大看板だった二代目古今亭今輔、俗にめっかちの今輔の一番弟子で、なんともいえない愛嬌のある盤台づらの赤ら顔。人、仇名して軍鶏と呼ばれ、その頃柳派では指折りの人気者だった。
高座は他愛なく馬鹿馬鹿しかったが、楽屋は正反対に厳しかった。それに、短気。
笑い鳥のような高座の軍鶏は、ひとたび楽屋へ下りるが否や、嘴を尖らせ、羽交に波打たせ、意気巻いて相手へ突っかかっていくあの闘鶏の凄まじさがピリピリ全身にうずいていた。
とりわけ、稽古はやかましかった。
自分の気が向かなければ十日が二十日もしてくれなかったばかりでなく、気に入らないとひとつ噺を二カ月でも五カ月でもやり直させた。