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ちじょう

地上

島田 清次郎

地に潜むもの

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 175,250 字 · 350 页

青空文庫

親が死んでから彼は小さな家に閉じ籠って仕事をしようとしなかった。村の人達が行っていろいろ意見するが、恐ろしい顔をして「馬鹿!」と怒鳴りつけて寄せつけない。村の人達の話によれば、次のような会話が幾度となく取り交されたというのだ。

「どうしてお前はそんなに怠けているのだ。親爺が死んだらお前が親爺のあとをついで家を立ててゆかなくちゃなるまい、え。お前の親爺はいい働き手やった。その子のお前じゃないか。働いて大きうなって嫁を貰って一家を立てて行かなくちゃならんではないか」

「誰が働くものか!」

「働きとうなくても、吾々のような貧乏人は働かなくては食えないのだ。そこを諦めて働かなくてどうする」

「厭だ! 働いて親爺のように黒い乾鰮のように瘠せて死んでしまうのは俺は厭だ」

「働かずにどうして生きておれる」

「嘘を言え!」

「ど、どうして嘘を言うものか」

「そんなら北野様御一家はどうしてあの贅沢をして食っているのだ!」

村の人達はこう言われて恐ろしい禁制を犯したような危険を感じて、この一少年によって表現された言葉の意味を考えようと試みたが分らなかった。そこで彼等は容太郎にこのことを告げて「意見」