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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

分った。

(ひどいことをしやがる。有色人種の犠牲において、白人たちがいいことをしようというのだろう)

私は、そう思わないではいられなかった。これは私だけのひがみでないと思う。

そんなことを考えているとき、入口ががちゃりと鳴って扉があいた。銃剣をもった衛兵が、扉をひらいたのだ。

(おお、司令長官ピース提督だな)

私は提督をおどかすつもりで、あえて提督の椅子から立とうともせず、その廻転椅子をぎいぎいいわせていた。

扉をしめた提督は、ふと気がついたらしく、後をふりかえった。無髯の提督の顔は、不審そうに歪んでいた。そして彼は、呟いた。

「はあて、なにが、ぎいぎい鳴っているのだろうか」

そういって、提督の眼は、たしかに私の方にそそがれていた。

「はあて、あそこに、廻転椅子が、ひとりでぐるぐる廻っているが、どうしたことじゃろうか。たしかに、あの椅子が、ぎいぎいと音を立てているが……」

さすがに提督であった。おどろいてはいるが、大きなこえも出さなかった。

だが、そのとき、私は、

(おや、へんだな。提督は、へんなことをいったぞ)

と、不審にぶつかった。――提督は、廻転椅子が廻っているといったが、廻転椅子は見えて、私は見えないのであろうか、そんなことがあろうと思われない。