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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

君は、何者だ。姿を現わせ!」

ピース提督は愕きに負けまいとして、あぶら汗をかいて頑張っているのが、私にはよく分った。

私はいつの間にか、透明人間になっていたわけである。X大使はよくこれと同じことをやって、私を愕かせたものである。今それを私がやっているわけだ。ふしぎだ。ふしぎはふしぎであるが、なんという愉快なことであろう。こっちは絶対優勢、向うは白旗をかかげるほかはない。

そのとき提督は、自分の席についた。彼の顔はなんとなく、生気をとり戻したようだ。

「さあ、余は腰をかけた。君もその椅子に、腰をおろしたまえ、四次元の人!」

四次元跳躍術――大東亜共栄圏から

四次元の人!

ピース提督は私に対して、そうよばわった。

(ああ、四次元の人!)

私はそのことばを、青天の霹靂のごとく感じた。

(そうか、四次元の人だったか。うっかり私は、そのことを忘れていたのだ。そうだったか。これは魔術ではなかったのだ。私は今、四次元の世界にとびこんでいたわけか)

四次元の世界にとびこむとは、知っている人は知っている。知らない人には、これを説明して聞かせることがちょっと、むつかしい。