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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

換えることにある。

ずっと昔は、科学力において、世界の第十何位かにあった日本は、新体制をとってから、めきめきと科学力を増強し、二十五年後には、右にのべた原子弾破壊機の第一試作品をつくり上げることに成功し、それからこっちへ五年、とうとう、世界に魁けて、強力なるその機械を十万台から整備するようになったのである。これを使えば、あの海抜四千メートル余もある富士山も、百台の機械でもって、わずか一時間のうちに、きれいに削り取られてしまうのであった。こんなことをいっても、三十年前の人間には、とても想像さえつかないであろう。

オルガ姫が、先を読んでいる。

「――かくして、わが日本は、外部より見て、完全に、要塞化したるばかりか、内部においても高度の要塞設備を有するに至りたるものにして、特に四次元振動を完全に反撥するように留意せられたり」

「四次元振動! はて、耳よりな話が出てきたぞ」

「――四次元振動の反撥装置は、かねて未来戦科学研究所において、研究ずみのものにして、これは凡そ百年ののちに役立つ見込みのものなりしが、最近急に実施の必要を生ずるに至りたるものにして、その理由は、実に、わが地球が、地球外の強力なる敵より、襲撃せらるる徴候見えしによる」