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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

仰げば、夜空は気持よく晴れわたり、南十字星は、ダイヤモンドのようにうつくしく輝いて、わが頭上にあった。

私は、いささかわびしい気もちであった。

その気もちを、ぶち破ったのは、オルガ姫の疳高い悲鳴だった。

「あッ、大変、大変よ」

疳高い叫び声と同時にオルガ姫は、とぶように駈けてきた。

「どうした、オルガ姫!」

「怪放送がきこえていますのよ。六万MCのところなんですの」

姫は流暢な日本語で、早口に喋る。

「六万MC、するとこの間も、ちょっと聴えた怪放送だね。――録音器は、廻っているだろうね」

「ええ、始めから廻っています」

「ああ、よろしい。では、五分ほどたって、そっちへいく」

姫は、にっこりとうなずいて、地下室へつづく階段の下り口の方へ、戻っていった。

六万MCの怪放送!

この怪放送をうまくとらえたのは、これで二度目だ。前回は、惜しくも目盛盤を合わせているうちに、消え去った。いずれそのうちまた放送されるものと思い、このたびは、自動調整に直しておき怪放送が入ると同時に、オルガ姫が活躍するようにしておいたのである。

さて今夜は、録音器が、どんな放送を捕えたであろうか。