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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

――そしてクロクロ島の緯度経度を測って、うまく飛び下りた」

「すると、何者にも、追跡せられていないというのだね」

「そうだ。まず、九割九分まで、大丈夫だ」

「乗ってた飛行機は、どうした」

「ああ、あれか。あれは、操縦者なしで、いまだにどんどん飛行をつづけているだろうよ。そのうち、どこかの海へ墜ちてわからなくなるだろう」

「それはよかった。実は昨日、君のところからの通信以来、このクロクロ島も、すこし安心ならなくなった形だ」

と、私がいえば、

「そんなことは、ないだろう。これほど高性能をもったクロクロ島が、敵のためにやっつけられてたまるものか」

久慈も、かつて、このクロクロ島設計集団の一員だったことがある。だから彼は、クロクロ島に対する信仰が篤かった。

「そうか。追跡している者がないと決ったら、まあ、下へ下りて休憩したまえ。食料も豊富だ。酒もある……」

と、私がいっているとき、オルガ姫の声が、するどく響いた。

「超攻撃機六十機編隊が、北北東より、こっちへ来ます、高度四千五百……」

私は、それをきいて、どきっとした。久慈の顔を見ると、彼も色を失っている。

「や、やっぱり、後をつけてきやがったか! 畜生!」