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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

全く、夢のようにふしぎな話だ。「三十年先が分る器械」のことにしろ、「お化け地球」のことにしろ、どっちも、われわれの想像を越えた話である。

そういう話をもちだして放送するとは、われわれを嚇すことを目当てにやったものに、ちがいない。いよいよ油断ならないのは、その怪放送者である。

私は、沈思黙考すること一時間あまり、ついに肚をきめるに至った。

(よオし、たとえいかなる犠牲を払おうとも、怪放送者の正体をつきとめないではおかないぞ!)

私は、オルガ姫に命じて、再び怪放送を自動的に受信する装置を、仕掛けておくように命じた。

それがすむと、私は、自ら秘密中継送信機の前に立ってまず真空管に火を点じた。

その大きな硝子球は、器械囲いの中で、ぼーっと明るくなった。異状なしである。私は、送信機全体に、スイッチを入れた。そして、マイクを手にとったのである。

「やあ、久慈君か。こっちは私だが、なにか変った話はないか」

「おお、お待ち申していました。たいへんなことを、聞きこんだのです。いよいよ汎米連邦は戦争を決意したそうです。連邦の最高委員長ワイベルト大統領は、今から一時間ほど前に、極秘のうちに、動員令に署名を終ったそうです」