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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

(ひょっとしたら、わが総司令部の上に、最悪の事態が襲来したのではなかろうか?)私は、非常な焦燥を感じた。

鬼塚元帥が予感したとおりの、最悪の事態が早くも来てしまったに違いない。

(これは困った。どうしたものだろう)と、私は痛むこめかみを抑えて、最善の処置について、考えこんだ。

そのときであった。受信機についている高声器から、とつぜん、電話が鳴り響いた。

「――本鑑ノ左舷前方十五度ニ、黒キ大ナル漂流物アリ、一見島ノ如キモノ漂流シツツアリ。全艦隊ハ直チニ針路ヲ北北東微北ニ転ゼヨ!」それは、流暢なる英語であった。漂流する一見島の如きもの――おお、それこそクロクロ島にちがいない。

そのクロクロ島は、確かに米連の主力艦隊とおぼしき艦隊の間近を漂流しているのである。しかも米連の主力艦隊は、この三角暗礁に、かなり近いところを航行中のようである。ここに息づまるような新事態が発生した!

「オルガ姫、方向探知器を読め。今の無線電話の送信位置は、どこになっているか」

私は、大声で叫んだ。

米連艦隊に遭遇――煙幕の中のクロクロ島

「……只今、艦隊の位置は、わが三角暗礁の東、約七十キロです」