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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

久慈が、ワシントンの監察隊によって襲撃されたのだ!

汎米連邦からは、一人の外国人も余さず追放されたのに、久慈は、大胆にも、ひそかにワシントンの或る場所に、停っていたのである。私の無電通信が、運わるく、警備軍のために発見されてしまった。彼は果して、無事に逃げ終せるであろうか。私は、胸に新たな痛みをおぼえた。

高声器が、がくがくと、ひどい雑音をたてた。

「おや、まだ、向うのマイクは、生きているな!」

と、私は、思わず目をみはった。

とたんに、高声器の中から、久慈ではない別人の声がとびだした。

「おや、誰もいない。たしかに、この部屋の中に怪しい奴がいたんだが……」

「おかしいなあ。逃げられるわけはないのですがねえ」

と、これは、また別のこえだった。

久慈は、監察隊の眼から、のがれているらしい。どこにひそんでいるのか、それともうまく逃げ終せたのか。

「もっと探せ。おや、その書棚のうしろが、おかしいぞ。黄いろい煙が出ている。やっ、くさい!」

「書棚のうしろですか。よろしい、書棚をのけてみましょう」

二人のこえが、遠のいた。

数秒後、二人の驚いたこえが、再び高声器の中に入ってきた。