轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うもれたにほん

埋もれた日本

和辻 哲郎

――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,399 字 · 43 页

青空文庫

大なるとがはまれであるが、小なるとがは日々に犯されるゆえに、ほっておけば習性になる。だから大きいとがは人によって許してよいが、小さいとがは決して許してはならないのである。こういう算用を戦国武士が丹念にやっていたということは、注目に価すると言ってよいであろう。

以上の三つの家訓書は、目ぼしい戦国武士がみずから書いたものである。それだけで新興武士階級の思想を全面的に知ることはむずかしいかもしれぬが、しかしここに指導的な思想があったことを認めてもよいであろう。そういう視点を持ちながら、キリシタンの宣教師たちが戦国時代末期の日本の武士たちについて書いているところを読むと、なるほどそうであったろうと肯ける点が非常に多いのである。戦国の武士の道義的性格は決して弱いものではなかった。また真実を愛し、迷信を斥け、合理的に物を考えようとする傾向においても、すでに近代を受け入れるだけの準備はできていた。

以上のごとく見れば、応仁以後の無秩序な社会情勢のなかにあっても、ヨーロッパ文化に接してそれを摂取し得るような思想的情況は、十分に成立していたということができるのであろう。