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まど
堀辰雄集 新潮日本文学16
堀 辰雄
堀辰雄『堀辰雄集 新潮日本文学16』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窓、あいびき、雉子日記、卜居、「美しかれ、悲しかれ」、木の十字架、楡の家。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 58,906 字 · 119 页
雉子日記
一
雉子日記
一
去年の暮にすこし本なんぞを買込みに二三日上京したが、すぐ元日にこちらに引っ返して来た。汽車がひどく混んで、私はスキイの連中や、犬なんぞと一しょに貨物車に乗せられてきたが、嫌いなスティムの通っていないだけでも、少し寒くはあったが、この方がよっぽど気持が好いと思った。
すっかり雪に埋もれた軽井沢に着いた時分には、もう日もとっぷりと暮れて、山寄りの町の方には灯かげも乏しく、いかにも寥しい。そんななかに、ずっと東側の山ぶところに、一軒だけ、あかりのきらきらしている建物が見える。あいつだな、と思わず私は独り合点をして、それをなつかしそうに眺めやった。
ハウス・ゾンネンシャインと云う、いかめしい名の、独逸人の経営しているパンションが、近頃釜の沢の方に出来て、そこは冬でも開いていると云うことを、夏のうちから耳にしていたが、私がそれを見たのはついこの間のこと、――クリスマスを前に、二三日続いて、ひどい大雪があった。そう、このへんでも五〇糎位は積った。そんな大雪がからりと晴れあがるや否や、鬱陶しく閉じこめられていた追分の宿から、私はたまらなくなって飛び出して、膝まで入ってしまうような雪の中を、停車場まで歩いて、それから汽車に乗って、軽井沢に来たが、ここでも軽便を待つのがもどかしく、勝手知った道なので、近道をしよ