轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はかば

墓場

西尾 正

「真珠」探偵公論社、1947(昭和22)年11・12月合併号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,934 字 · 20 页

青空文庫

ペンダア君は手でハンドルを握り、両脚はばたばたさせて、紅毛人特有の無邪気なハリキリぶりを見せた。僕は微笑した。

×    ×    ×

僕が三浦半島に興味をもったというのは、その頃例の油壺の海底から、昔の軍船がつかっていたらしい巨錨が、一人の漁夫によって引きあげられたという新聞記事を読んだからであった。三浦道寸父子の沈没船の錨か、北条勢の軍船の錨か、とまれ数百年の歴史の謎を秘めていることは事実らしく、しかもこの油壺の海底には、鎧甲冑をまとうた骸骨が端座しているといわれ、それが三浦父子の恨みの姿であるという伝説もある。

――僕はペンダア君の体力には驚いてしまった。なぜなら、参ったのは僕の方が先だったから、彼がいつも変わらぬペースで進んで行くのに反し、僕の方は絶えずわれわれを追い越して行くバスやトラックの砂煙に腹を立てた。結局中途の茶屋に自転車をあずけて、バスを利用することになった。

油壺ホテルで昼飯をすませ、煙草をくゆらせながら臨海実験所の日蔭の道を下って行くと、これまでの疲労が一遍にけしとんで行くような快適さを覚えた。殊に樹木の間から見下す油壺の風景は素晴らしかった。