轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はかば
墓場
西尾 正
「真珠」探偵公論社、1947(昭和22)年11・12月合併号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,934 字 · 20 页
……
「Nさん」ややあってペンダア君はいやに改まっていいだした。「海の底は知らぬが、わたくしは墓場の底なら知っている」
「墓場の底?」
「さよう、千古の秘密に埋もれた墓場の底です」
「あんたがそこを覗いたというのですか?」
「さよう、わたくしの一世一代の怖ろしい経験です!」両手を拡げて天を仰ぎ、全身をぶるぶる震わせて見せた。「わたくしがちょうどある地方の沼沢地へ、考古学者の友トオマス・スティヴンと材料蒐集に行った時の話です。ああ、そこで出会ったものは、――」
「それは実話ですかね?」僕はまず眉にたっぷり唾を塗りつけた。
「実話ですとも! そしてそのためにわたくしはあまりにも大きなショックを受けて故国にはいられなくなったくらいですもの」
ペンダア君は僕の態度に不満を覚えたらしく、「あなたはオッカルティズムには興味がありませんか? そうだとすると、――話しても詮ないことですが」
そこで僕は、いや大いにある、僕の仕事はオッカルトな話(怪談)をつくることだ、と力説した。するとペンダア君はわが意を得たりという顔つきで突然あたまのハンチングをぬぎ、
「これをごらんなさい」といいながら、房々とした白髪をひっぱったり撫でつけたりして、「Nさん、あなたはわたくしを老人だと思っているでしょう。