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「だん」のかいたい
増補 美学的空間
中井 正一
中井正一『増補 美学的空間』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「壇」の解体、生きている空間、言語は生きている、現代美学の危機と映画理論。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,324 字 · 44 页
しかし、もともと、この言葉はキケロの使った例でも、そんなに重大な哲学用語ではなく、「目の前に横たわっている明瞭なもの」くらいの意味に通ずるものであったらしく、ポエチウスでも訳語でない場合には「……に類属する」(subject to)くらいの意味で用いられているところもあるらしいのである。
どうも、アリストテレスの訳文として、初めてこの言葉は、何か丸天井の建築の尖塔の先のような、有用と云うよりも威厳を導き出すところの「基本体的主体」の意味をもったらしい。
十六世紀までの中世紀を通じて、封建諸侯は、この言葉を支柱として、巨大なるピラミッド型の、身分が上になるほど偉いと云う態型を構成したのであった。
その場合 subiectum は、後の主観とはおよそ反対の、主観的なものどもを抑える、ゆるがざる権威の基本的主体となったのであった。奴隷のエピクテートスも、帝王のマーカス・アウレリウスも、この subiectum にしばりつけられ、同じようにそれはすがりつくこと、即ち諦観することによって耐えていたのである。
九世紀のスコツス・エリウゲナでも、感覚的主観的なものとは反対の、法則的理性的なものとして、神の側のものとしているのである。