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「だん」のかいたい

増補 美学的空間

中井 正一

中井正一『増補 美学的空間』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「壇」の解体、生きている空間、言語は生きている、現代美学の危機と映画理論。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,324 字 · 44 页

青空文庫

「気を失い」(用例一〇)「機を失い」(用例五)

「気に乗り」(用例六)「機に乗り」(用例五)

「気を呑まれ」(用例四)「機を呑まれ」(用例四)

「敵に気を附け」(用例三)「敵に機を附け」(用例二)

「気を屈し」(用例一〇)「機を屈し」(用例一)

「気の早い」(用例三)「機の早い」(用例一)

「気分」(用例三)「機分」(用例四)(有朋堂文庫本)

これは写本でも幾らかの差があろうが、その用い方は幾分か気の方が心理的であり、機の方が時間の潮時と云った用い方をするのではあるが、ほとんど同一の意味に融合して用いられている。後に西鶴が「機の利いたる」と用い、頼山陽がこの両者を実に混用するのも、遠く淵源はここにあるかと云われる。

これが、室町になって、軍事的なものから庶民的な用い方になり、『秋月物語』で初めて、「たひのようしん、きつかひはあるまし」の言葉にぶつかるのである。最早はっきりと個人の意識を反省し、その意識が自分であることを疑ってはいない。

そして、秀吉の北政所への手紙に、「きづかひ候まじく」と出て来るのである。そしてこの庶民から上った秀吉の周辺には、実に多く用いられ、浪華文化では極めて大量に用いられてはいたものであろう。