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「だん」のかいたい
増補 美学的空間
中井 正一
中井正一『増補 美学的空間』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「壇」の解体、生きている空間、言語は生きている、現代美学の危機と映画理論。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,324 字 · 44 页
カントからリップス(一九一四年に死んだ)までの美学は、個人主義美学の発見と、その完成の限界の記録である。
フッサール、ハイデッガー学説の美学への示唆は、すでに時間の中に寸断され細片化された自我が、宇宙的本質の中で如何なる現象としてあるかを記述し解釈しようとするのである。ハイデッガーは数年間の塹壕生活の前後十年間沈黙し、前著『ドン・スコトス論』とほとんど関係のない『存在と時間』で突如として、不安の哲学を投出したのである。彼の哲学の中には一九一八年の痛みが深くきざまれており、塹壕の中の単調の存在 auf der Spur sein からの呻くような脱出の願望が味わわれるのである。
アラン、ブルトン、アラゴン、ジイド、プルースト、サルトルの線は、凡て同時代者であり、それらはやはり、ハイデッガーと同じように「抵抗線における個人主義者」なのである。
カントの段階では、感情は、悟性と理性の中間者として、体系的秩序の中に構成され、自我の人格の秩序と関連して自らの綱紀をもっていた。
しかし、今や、プルースト、ピランデルロが示すように、「人格」なるものは、時々刻々に継起する「自我群」