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「だん」のかいたい

増補 美学的空間

中井 正一

中井正一『増補 美学的空間』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「壇」の解体、生きている空間、言語は生きている、現代美学の危機と映画理論。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,324 字 · 44 页

青空文庫

を、我々にしめす」と云うシヨーメの言葉は、はるかに戦前の言葉ではあるが、個人主義が個人の内面に於て分裂し破綻していることを物語っている。これが封建主義文化に闘いをいどんだ自由の旗であったかと人々が眼を疑うほど、それは色あせたものとなってしまった。

株式会社がすでに個人主義機構と矛盾しているとミルが指摘するように、現代様式の社会機構ははるかに個人をおしつぶす機械文明の底に沈湎していった。一九一八―一九三〇年をクレミュウは個人的主観的諸価値に集団的客観的価値が交替する期間だと述べているが、一九一八年の第一次精神崩壊はまさに、個人主義が集団主義に抗争する段階である。ジョルジュ・デュアメル、ジュール・ロマンが一九三〇年のこの精神を代表している。

しかもデュアメルが抗争する集団主義とは、アメリカのもつ機械主義とソヴィエートの委員会機構を対象としているからである。

一九四五年の第二次精神崩壊では、もはや、集団主義の前に示す個人主義の抗争のムーヴメントは一九三〇年の残余であり、ゲリラ的な散発の抵抗で漸次その線をおさめつつある。

一九五〇年は、人類が、集団主義文化への適応に於て、如何なるフォームをもって、自分達をととのえるか、如何にそのペースを発見するか、その苦悩と不安の年となるであろう。