轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

へんじんでん

変人伝

佐々木 邦

「日の出」新潮社、1934(昭和9)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,178 字 · 21 页

青空文庫

「僕も撲られたよ」

と告白した旧同僚が十名からあった。

「徳な男だったよ。皆を撲って置いて、撲り返されたことは一遍もないらしい。それというのは皆妻子があるから首のことを考える。此奴は独身者だから気が強い」

と一人が言った。

「ハッハヽヽ」

とその折笑い出したのは昆侖草の○○先生だった。

「俺は撲られなかったけれど、俺の帽子が撲られた。俺のところへ相談に来たんだ。それも高等学校で喧嘩をして、身の振り方を頼みに来たんだ。俺は少し小言を言った。すると机の上に置いてあった俺の帽子を撲って出て行ってしまった。これが大野の旧師に対する礼儀だったかも知れない」

叔父は鶴見のお寺に納まった。約束通り竹内さんの墓地を半分貰ったのだ。死んだ叔父の石塔と生きている竹内さんの石塔が仲よく並んでいる。

「男同志の比翼塚ってものは天下無類だろう。皆絶交されてしまったのにたった一人残ったところを見ると、僕も多少変人かね?」

と竹内さんはお得意だ。

(昭和九年八月、日の出)