轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よるのくつ

夜の靴

横光 利一

――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 213 页

青空文庫

あの日本一の豪い仏教学者を食うに困らせるとは、何という仏教界の恥だろう。」と、菅井和尚は私に憤慨を洩したことがある。私の妻は蚤に、この夫人は米に悩まされている最中だ。

私は道元禅書の中からノートへ「夏臘」という二字を書き写した。叢林に夏安居して修業したる年数をいう、と末尾に註釈がある。他に、

奇拝――(弟子の三拝九拝に対して師の一拝の挨拶)有漏――(煩悩のこと)器界――(世界のこと)秋方――(西の方)

私は以上の五つを書き抜いてみて、次の随筆集の題を選びたく、思い迷っているとそこへまた久左衛門が現れた。私は本を伏せまた二人で庭の竹林に対い、しばらく黙って竹の節を眺めていた。「夏臘」という字と、「有漏」という字が、節の間を往ったり来たりする。そのうち、だんだん、「有漏」の方が面白く押して来たので、ひそかに舌の端に乗せてみながら、私は久左衛門の顔を見た。

「和尚さんのことで、一寸。」と久左衛門がいう。

今日は菅井和尚の使いで来たのだ。この久左衛門は前から、和尚の寺の釈迦堂へ遠近から来る参拝人に、本堂の横の小舎で汁と笹巻ちまきを売っていた。それが資本となり彼が財を成した原因である。