轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆめ

夢

寺田 寅彦

「明星 第一巻第五号」1922(大正11)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,358 字 · 5 页

青空文庫

二

次第に強く揺れ動いては延び上がると思う間にいつかそれが本当の火焔に変っていた。

空が急に真赤になったと思うと、私は大きな熔鉱炉の真唯中に突立っていた。

二

私は桟橋の上に立っていた。向側には途方もない大きな汽船の剥げ汚れた船腹が横づけになっている。傘のように開いた荷揚器械が間断なく働いて大きな函のようなものを吊り揚げ吊り降ろしている。

ドイツの兵隊が大勢急がしそうにそこらをあちこちしている。

不意に不思議な怪物が私の眼の前に現われて来た。それはちょうど鶴のような恰好をした自働器械である。その嘴が長いやっとこ鋏のようになって、その槓杆の支点に当るねじ鋲がちょうど眼玉のようになっている。鳥の身体や脚はただ鎚でたたいて鍛え上げたばかりの鉄片を組合せて作ったきわめて簡単なもののように見える。鉄はところどころ赤く錆びている。それにもかかわらずこの粗末な器械は不思議な精巧な仕掛けでもあるかのように全く自働的に活動している。ちょうど鶴のような足取りで二歩三歩あるくと、立ち止まって首を下げて嘴で桟橋の床板をゴトンゴトンと音を立ててつっついている。そういう挙動を繰返しながら一直線に進んで行くのである。