轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆめはよびかわす
夢は呼び交す
蒲原 有明
――黙子覚書――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 104,126 字 · 210 页
控帳には当時この長歌を書き放しておいたきり、まだ題名さえも附けていなかった。それをありのままに「蒸しうもの歌並反歌」と書き添えて、それなりに控帳を閉して、擲げ棄てるようにして、側の方へ押し遣った。そしてちと長たらしいなと呟いている。どこかにこだわりがあるらしい。
この時、突如として、からからとよく響く天狗笑の声が聞えて来た。景彦が意地悪げにこの場に出現して来たのである。
「とうとうあなたも真相を暴露しましたな。蒸し芋の歌なぞ、あれは好い加減なしろ物です。それにご自慢とは。」
「言え、言え。なんとでも言うが好かろう。おれは自作の歌の巧拙を今問うているのではないのだ。おれはだ。一たん荒廃した頭脳のなかにも、いつの代にかこぼれた種子が埋もれていて、それが時に触れて、けちな芽を出し貧しい花を咲かす。そういうこともあって好さそうに思うからだ。いや、それだけではすまされないのだ。そういう筋道を辿って究めて行けば、思想の開顕という概念が得られそうに思うからだね。真淵の「うま酒の歌」にしろ、あれをおれが推奨するのは、そこに思想の開顕が見られるからだ。『万葉』の大伴卿の「讃酒歌十三首」