轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おおいなるもの
大いなるもの
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,492 字 · 7 页
私はそれを悲しむ。
私は、箇人主義は、より偉大なものである事を知って居る。
今の現れが箇人主義の最もよい現れではないのである。私は敢て、箇人主義は大なる社会的生存に一致する事を明言して恥じないのである。
箇人主義と社会的生存。
それは、甚だ矛盾した様な外見を持って居る。
けれ共、正しい箇人主義は社会的生存に一致する事を私は確信して居る。
箇人主義、利己主義。
此は要するに、自分のためを思い、自己を主とする主義である。
そして、自己のために最も益のある、己を私する事は何であるか。
私は直ちに「自己の完成」と答えるのである。
堪え得ぬ魅力をもって此の言葉は私の心を動かす。
己を私するに、自己完成ほど力強いものが有ろうか。
私の云う自己完成と云うのは、或は今まで多くの人々の云ったのとは少し異うかもしれない。
私は、実の自己と云うものは、一個の肉体に宿る多くの意志、感情、智の中で、生れ出た時既に宇宙の宏大無辺の精力の中から分けられた精力が、その三つの中のいずれかに宿って居る時に、その先天的にある精力を自己と云いたい。
そう云えば、世の人の云う天才と云う意味にもなろうけれ共、私はそこまで特殊なものにはしない。