轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
23 他生の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,722 字 · 286 页
「これは見事なものだ、どうしてわしらは遠く及ばない」
と言いました。それも謙遜だろうが、お松の字はお家流から世尊寺様を本式に稽古しているのですから、どこへ出しても笑われるような字ではありません。
そこで今までは、東妙和尚からお手本を書いてもらっていた人が、改めてお松をお師匠番にたのむ。こうなるとお松がこの寺小屋の実際上の校長で、その職分を、いよいよ興味あることに思っています。
しかしながら、現在仇の家に来て、自分たちが知らず識らずその事実上のあるじのようなところに置かれているのに、当の主人は行方が知れぬその因縁の奇しきことを思うと、お松は泣きたくなります。
早く、郁太郎を成人させて、立派にこの家を嗣がせて上げたいものだという心持に迫られる時、お松は、郁太郎を父竜之助に似ないで、祖父の弾正の優れたところにあやからせたいと思います。
ほどなく傘をさして二人、三人、五人と上って来る石段。
手習草紙を帯からブラ下げて、風呂敷を首根ッ子へ結えたのが、
「誰だい、ここんちへ、お化けが出るなんていったのは、三ちゃんかエ」
「おいらは、聞いたんだよ、よそで」
「悪いや、悪いや、お化けが出るなんて悪いやい」