轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

24 流転の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页

青空文庫

芸術に国境は無いというありきたりの言葉を念頭に置きながら、田山白雲は東洋の芸術がわかって、西洋の芸術の知識の暗いことに、自分ながら不満と焦燥とを感じ、さて、芸術という流行語を繰返して、なんとなく擽ったい思いがしました。

「芸術」という流行語の起りは今に始まったことではない。享保十四年の版本、樗山子というものの著述に「天狗芸術論」がある。これは剣法即心法を説けるもので、なかなか傾聴すべき議論がある。芸術の文字が流行語となりはじめたのは多分その辺で、その後、幕府が講武所を開いた趣意書のうちに、旗本の子弟、次男、三男、厄介に至るまで、力めて芸術を修業せねばならぬと奨励している。水戸中納言の弟、余九麿を一橋殿へ呼び寄せる時のお達しも、芸術のお世話ということで許されている。けれどもそれが今のように流行語となったのは、ある時、三日月という侠客が日本橋あたりで、勤番の侍と喧嘩をし、

「うぬ、三ぴん、待ちやあがれ」

と言って、その侍を十余人というもの、瓜か茄子をきるように、サックサックと斬り伏せたのが評判になると、弟子を連れてこれを検分に出向いたある剣術の先生が、

「よく斬りは斬ったが、芸術になっていない」