轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
24 流転の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页
というと弟子共が、
「なるほど、芸術にはなっておりませんな」
と追従をいったことから始まって、芸術になっている、いないということが、花柳界にまで流行語となり、猫も杓子も芸術芸術といい出したものだから、ある男が、
「芸術とは何だね」
トルストイでもいいそうなことをいい出して、彼等を狼狽させたこともありました。
夜になると田山白雲は、お銀様の寝た縮緬の夜着蒲団の中へ身を埋めながら、そんなことを考えて笑止がり、問題の画面に向っては、厳粛な眼を据えておりました。
女興行師のお角の残して行ったものは、田山白雲にとっては由々しき謎でありました。しかも本人が、謎とも、問題ともせずして、投げつけて行ったところが奇妙です。
これがために、田山白雲がさんざんに苦しめられているところは、笑止の至りであります。
顧之であろうとも、呉道玄であろうとも、噛んで歯の立たないという限りはないが、こればかりは、つまり、知識の鍵が全く失われているから、見当のつけようがないのです。
そこで、一旦、白雲は戸外へ出てみました。古本屋漁りをして、もしや、それらしい横文字を書いた書物でも見つかったら――と何のよりどころもない果敢ない心頼みで、暫く街頭を散歩してみましたけれど、如何せん、その時代の書店の店頭に、西洋美術の梗概をだも記した書物があろうはずがあり