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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
37 恐山の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页
何人といえども近藤勇に含まれることは、すなわち殺されることでありました。
百七十六
それと、もう一つ――京都の巨椋の池で、鳥を撃ったものがある。ここは伏見奉行の管轄で、御禁猟地になっている。いまだ曾て何ものも、この辺で発砲を試みた無法者はない。果して、その禁猟の禁を破って鳥を撃ったものは、新撰組の手の者に相違ないという事実がわかった。
事実はわかったけれども、新撰組では仕方がない、全く相手が悪い――さりとて、捨てて置いては今後が思われる。そこで伏見奉行の与力で、横田内蔵允という硬骨な役人があって、部下の同心に命じて、とうとう犯人として新撰組の一人、後藤大助という者を捕えさせて、厳重に次の如く申し渡した。
「この巨椋の池の御留場は、単に伏見奉行の意志で禁止しているのではござらぬぞ、畏くも禁裡または公儀へ、その折々の鳥類献納の御料地として、公儀より伏見奉行がお預りいたしている土地でござるぞ。その辺のことを御存じなき新撰組の方々でもござるまい、知って、而してわざとそれをなさるは言語道断である。守護職、並びに所司代へもお届けの上、屹度処分いたす故、左様心得られたい」