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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里介山『大菩薩峠13』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 页
そこで、先晩は、専ら下原宿の嘉助の娘のお蘭の出世が話題となり、後ろに聞いていたがんりきの百を大いにむずがゆがらせたが、今晩もあの調子で、
「時に、市場でも難儀が降って湧いてのう、あの娘っ子、まだ身性がわからんかいのう」
「まだわからんちうがのう、困ったもんじゃのう、なんでも市場の世話役は、勧賞つきで沙汰をしおるちうが、つきとめた者には二十両というこっちゃ」
「二十両――このせち辛い時節に、えらい掘出しもんじゃのう」
「市場連も、勧賞と聞いた慾の皮の薄いわいわい連も血眼じゃがのう、明日の九ツまで見つからんと、あの市場総体が欠所を食うじゃろうて」
「何してもそれは気の毒なこっちゃ、勧賞はどうでもいいが、市場連を助けてやりてえもんじゃのう」
「一骨折っちゃ、どうでごんす」
「さあ、当番でなけりゃ、何とか一肌ぬいでみようがなあ、いったい、手がかりはあるのかや、物怪変化が、木の葉をもって買いに来たわけじゃあるまいからのう」
「物怪変化じゃねえさ、ちゃんと世間並みの鳥目を払って、小豆と、お頭附きと、椎茸、干瓢の類を買って行かれた清らかな娘ッ子じゃげな――払ったお鳥目も、あとで木の葉にもなんにもなりゃせなんだがな」