轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
中里介山『大菩薩峠13』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 页
「ファッショ」
「ファッショ」
はて物々しいと見ていると、今度は後ろ、反対側から同じような砂煙。
「ファッショ」
「ファッショ」
「ファッショ」
「ファッショ」
道庵は、この時ならぬ物々しい前後の物音と掛け声を聞いて変だなと思ったのは、普通、こうして馳けて来るところの一隊の人の呼び声は、
「ワッショ」
「ワッショ」
ということになっている。江戸ではまたワッショを、ワッソワッソワッソワッソとつめることはあるが、ここでは、
「ファッショ」
「ファッショ」
と聞える。土地柄で訛るのか、それとも近頃はこういう発音が流行しているのか、そのことはわからないが、それが多少耳ざわりになっていると、砂煙を立てて前後から走せつけた一隊が、
「道庵待て――江戸下谷長者町の町医者、しばらく待て」
「何がなんと」
道庵は思わずこんな大時代な返答をして飛び上りました。
と見れば、前面から一隊を率ゆるところのものは、おおたぶさに木綿片染のぶっさき羽織、誰が見ても立派な国侍――それに従う紺看板が都合五名。
同時にうしろから走せつけたのは、軍学者のように髪を撫でつけた、らっきょう頭の男、それに従うものが、やっぱり五名の紺看板。