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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
「はい、はじめはたいへん静かでしたが、さっきからごとごとあばれまわっています」
その時、扉の内側になにか大きなものをぶっつけたらしいはげしい音がした。
「ほう、やっとるな」といったが、ケレンコの眉がぴくりとうごいた。
「おい、へんじゃないか。中には誰と誰とが入っているのか」
「さあ、誰と誰とが入っているのか、私は知りません。さっきこの部屋の前を私が通りかかると、中から一等水兵がでてきて、(急に胸がわるくなったから、向こうへいってくる。その間、お前ちょっと代りにここの番をしていてくれ)といって、いってしまったんです。それから私が立っているんですが、どうしたのか、まだ帰ってきません」
「それはおかしい。一等水兵は誰か」
「はき気があるとかいって、顔を手でおさえていたので、よくは見えませんでした。小柄の人でしたが……」
「いよいよ腑におちない話だ。よし、扉をあけてみろ。おい、みんな射撃のかまえ。中からとびだして反抗すれば、かまわず射て」
扉には、鍵がつきこんだままになっていた。それをまわすと、錠はがちゃりとはずれた。
扉は開かれた。
とたんに、どたんところがりでた男! それを見てケレンコは、あっとおどろいた。