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たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页

青空文庫

もう一つは、妙なひげをはやした東洋人の顔であった。

ものおぼえのよい読者諸君には、もうおわかりであろう。

それは、ミンミン島へクイクイの神様を買いにいったロップ島の酋長と、クイクイの神様といっている漂流日本人の三浦須美吉であった。

しかしダン艇長が、なぜその二人の仲間にくわわっていたのか、またこの人たちが、なぜそのような海底の小塔に顔をならべていたのか。それは、いずれこの物語のすすむにつれて、明らかになるであろう。

「おう、誰かとおもったら、なんだ、お前だったか」

とつぜん太刀川のうしろにあたって、ふとい声がひびいた。

不意をうたれて、太刀川は、はっとおもって、うしろをふりかえりざま、水中灯をぱっとさしつけた。

「あ」

いつの間に来たのか、彼のうしろに、大きな水中灯をもって立っていたのは、ほかならぬ海底要塞司令官ケレンコだった。彼の潜水服には、胸のところに、大きな三角形を二つくみあわせたマークがついていた。そしてその下に、「ケレンコ」とロシア文字がしるしてあった。

(うむ、見つかってしまったか)

と、太刀川の息づかいが、またもやあらくなる。

日本攻略作戦