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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
すると艦橋から、大きな声がした。水中超音波の電話で、艦内からよびかけているのだ。
「司令官閣下。おむかえにまいりました。おめでとうございます。恐竜第六十戦隊が、三十数隻のアメリカ艦艇を撃沈して、全艦無事いま凱旋してくるというしらせがありました」
「うむ、そうか。三十数隻では、十分とはいえないが、とにかく恐竜万歳だ。祝杯をあげよう」
「祝いの酒は、本艦内にたくさん用意してまいりました。さあすぐおのり下さい。いま潜水扉をあけます」
「うむ」ケレンコは、なにか、ひとりでうなずきつつ、太刀川をうながして、迎えの潜水艦の胴中についている潜水扉から、艦内へはいった。
太刀川もケレンコにつづいて艦内へはいったが、とたんに通路のむこうから、こっちを見てにやにや笑っている体の大きい士官の顔!
あ、リーロフ大佐だ! 本もののリーロフ大佐だ!
万事休す
「あ、リーロフ大佐だ!」
太刀川時夫は、潜水着の中で、おもわずさけんだ。
無理もない。リーロフの潜水着をきて、リーロフになりすましているところへ、本もののリーロフ大佐があらわれたのである。
(錨にしばりつけたはずのあのリーロフが?)