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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
「よく、おあかし下さいました。私も、死んだつもりで、祖国日本のために働きます」
三浦須美吉は、体をふるわせて、太刀川の前にちかったが、足もとの鉄の鎖に気がつくと、ダン艇長、酋長ロロに、
「早く」
というように目くばせして、鉄の鎖を、ぐいとひっぱった。鎖が、がちゃりとなった。
銃声
廊下にいた衛兵が、それに気がついた。
「おや」
と思ってのぞくと、この有様だからぴりぴりぴりと、警笛をならした。
酋長ロロは、腰をぬかし、三浦は、立ちすくんだ。ダン艇長は、腰におびていたピストルを手にとって、身がまえる。
とたんに、轟然たる銃声がひびいた。
「うーん」
と、さけんだのは、ダン艇長だった。彼の体は、後にのけぞって、どすんと床にころがった。衛兵が、真先にねらい撃ったのである。
「ひゃー」
と、酋長ロロは、こんどは腰がはいったのか、ぴーんととびあがった。
そこをまた、だーんと一発!
ぎゃっという妙な悲鳴、酋長ロロも、そこへたおれてしまった。そのつぎは、三浦須美吉と、太刀川時夫だ。
衛兵は、銃口を三浦の方へむけた。
「あっ、あぶない。三浦君、そこへ伏せ」
太刀川は、さけんだ。