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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
白人が白人にばけることは、やさしい。
太刀川は、その間に、司令官室へもぐりこんだのであった。
だが、二人は、この時、別働隊の三浦と酋長ロロがとりかかったはずの仕事の進行を、しきりと気にしていたのである。
太刀川は、カンナ島へかえっていった三浦と酋長ロロとに、どんな秘策を、さずけたのであろうか。
壊滅一歩前
幕僚会議は、いよいよ熱心につづけられた。
日本を攻略するについて、あらゆる場合が考えられ、その用意がなされていった。
太刀川は、そのたびに、はやる心をじっとこらえた。
「七時半だ。もういいころだが」
太刀川は、カーテンのかげから、そっとぬけでた。
「太刀川さん、いよいよあの時刻が来ましたよ」
ダン艇長はいった。
それから二人は、石福海が張番をしている監禁室へかけだしていった。
太刀川は、つまれたあき樽の中に、首をさしいれて耳をすました。
カーン、カーン。カーン、カーン。
鉄管をたたくような音がきこえた。
ダン艇長の耳にも、はっきりときこえた。
「いよいよ、カンナ島の用意が出来たんだ」
「じゃ。こっちからも、信号を」
と太刀川はダン艇長に目くばせした。