轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たいへいようまじょう

太平洋魔城

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页

青空文庫

じ、じっと雑音が、受話器をならした。するとそれにつづいて、日本語がはいってきた。

「太刀川君かね。こちらは原大佐だ」

「ああ原大佐!」

太刀川は、おどろいた。こうもうまく、連絡ができるものとは、考えていなかった。大佐の声はすこしはずんでいるが、その声の大きさは、市内電話と同じくらいだった。

「待っていたぞ、太刀川君。僕は今、君もよく知っている、役所の例の机の前にすわっているよ。さあ聞こう。話したまえ」

「ああ」

と太刀川は我にかえった。大佐の声を聞いていると、大佐も、この飛行艇内のどこかにいて、そこから電話をかけているような気がするのだ。大佐にさいそくされて彼は、はじめて話しだした。

「私は今フィリピンの、はるかはるか北の沖に不時着しようとしているサウス・クリパー艇の中にいます。つい今しがた例の大海魔が海面からあらわれ、そしてすぐひっこんでしまうところを見ました」

「そうか、やはり本当にそのような怪物がいたのか。よし、じゃ、くわしく話したまえ」

「まず、形は――」

と、語りかけたとき、艇内の高声器から、とつぜん、警報がなりひびいた。

「皆さん、すぐさま座席の下にある救命具をつけてください。