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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
三浦は、ふしぎにおもって、首をぐるぐるまわした。すると、はるか後の方に、ぴかぴかとへんに光っている物があるではないか。
「おや、あれはなんだ」
よく目をすえて見ると、くらい海の一てんから、青白い長い光がすーっと出て、横にうごいている。
「探照灯みたいだが――」
と思っていると、こんどは別のところから、ものすごい火柱が二本も立ちあがって、それからまっ赤な火の玉が、ぽろぽろと海面へおちはじめた。
やがて、そのどろどろと宙にもえていた火柱の色が、急に赤みがかってきた。それと同時に、火柱のたっている近くの海が、急にぼーっと明るくなった。
海が光りはじめたのだ。海の上だけではない、海面の下までが、電灯でもつけたかのように光っている。
原地人たちは、もう櫂をこぐどころか、ただ口々に神への祈りをくりかえしている。
そのとき酋長がふるえごえで、三浦によびかけた。
「おう、クイクイの神よ、われわれロップ島の人民を、おそれの谷にたたきこむのは、あの魔物であるぞ。クイクイの神の力によって魔物のあの光る息をおさえつけてもらいたい。そうすれば、われらは、クイクイの神にどんな宝物でもさしあげるだろう。