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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页
ここで梳る柳の髪は長かろう、その姿見の丈が高い。
三十七
「お敷きなさいなね、貴下、此家へいらっしゃりゃ、先生も何もありはしません、御遠慮をなさらなくっても可いんですよ。」
と意気、文学士を呑む。この女は、主税が整然としているのを、気の毒がるより、むしろ自分の方が、為に窮屈を感ずるので。
その癖、先生には、かえって、遠慮の無い様子で、肩を並べるようにして支膝で坐りながら、火鉢の灰をならして、手でその縁をスッと扱く。
「茶を一ツ、熱いのを。」
酒井は今のを聞かない振で、
「それから酒だ。」
綱次は入口の低い襖を振返って、ト拝む風に、雪のような手を敲く。
「自分で起て。少いものが、不精を極めるな。」
「厭ですよ。ちゃんと番をしていなくっては。姉さんに言いつかっているんだから。」
と言いながら、人懐かしげに莞爾して、
「ねえ、早瀬さん。」
「で、ございますかな。」とようよう膝去り出して、遠くから、背を円くして伸上って、腕を出して、巻莨に火を点けたが、お蔦が物指を当てた襦袢の袖が見えたので、気にして、慌てて、引込める。
「ちっと透かさないか、籠るようだ。」
「縁側ですか。