轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页

青空文庫

て、かねて恩威並び行わるる師の君の、その恩に預かれそうではなく、罰利生ある親分の、その罰の方が行われそうな形勢は、言わずともの事であったから、電車でも片隅へ蹙んで、僥倖そこでも乗客が込んだ、人蔭になって、眩い大目玉の光から、顔を躱わして免れていたは可いが、さて、神楽坂で下りて、見附の橋を、今夜に限って、高い処のように、危っかしく渡ると、件の売卜者の行燈が、真黒な石垣の根に、狐火かと見えて、急に土手の松風を聞く辺から、そろそろ足許が覚束なくなって、心も暗く、吐胸を支いたのは、お蔦の儀。

ひとえに御目玉の可恐いのも、何を秘そう繻子の帯に極ったのであるから、これより門口へかかる……あえて、のろけるにしもあらずだけれども、自分の跫音は、聞覚えている。

その跫音が、他の跫音と共に、澄まして音信れれば、(お帰んなさい。)で、出て来るは定のもの。分けて、お妙の事を、やきもき気を揉んでいる処。それが為にこうして出向いた、真砂町の様子を聞き度さに、特に、似たもの夫婦の譬、信玄流の沈勇の方ではないから、随分飜然と露れ兼ねない。

いざ、露れた場合には……と主税は冷汗になって、胸が躍る。