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こどものじぶんのはなし
子供の時分の話
小川 未明
「おとぎの世界」1919(大正8)年7月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,307 字 · 11 页
「つぎは、途中で、二人が悪者に出あうところ。」
と、おじいさんがいって糸を引きますと、青い、青い、海原が見えて、怖ろしい姿をした悪者が、松の木の蔭に隠れて、かなたから歩いてくる二人のようすをうかがっていました。
これから、どうなることだろうと思っているうちに、おじいさんは孔の中を真っ暗にしてしまいました。
「さあ、これから二人が、人買い船に乗せられて沖の島へやられるところ、もっと先までいくと見せますよ。さあ、いっしょにおいでなさい。」と、おじいさんは屋台をかついで、お城の中へ入っていきました。
私は、悪者が、姉と弟をどんなめにあわせるだろうと思うと、かわいそうになって、ついそれが見たくて、あめ売りの後についていきました。あたりはまったく圃で、人一人通らなかったのであります。
不意に、おじいさんは屋台を下ろすと、私を捕らえました。私はびっくりして声をたてる暇もなく、おじいさんは私の口に手ぬぐいを当て、もののいえないようにして、
「いいところへ連れていってやるから、おとなしくして、この箱の中に入っているのだ。」と、私を箱の中へ入れてしまいました。それをかついでおじいさんは、とっとと途を歩いていきました。