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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
03 伊達政宗の城へ乗込む――仙台の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,085 字 · 48 页
当り前のことじゃないかね。実に当り前すぎるじゃないか。一般庶民の生活や精神は惰性的でこりることを知らなくとも、政治家とかその道の専門家はこりることを知らねばならぬ。禍を利用してプラスにすることを知らねばならぬ。当り前じゃないか。
とにかく仙台が強風季節の火事にこりて、大通りを新設したのは利巧なことさ。この町の気風にしては出来すぎたことだね。なんしろ政宗以来の水害地帯がいまだに年々変りなく水害の起るがままという県だからね。
しかし、物と人の単なる集散地には独創だの計画だのというものは、あんまり現れることがないのだろう。この都市の業態生態がそれを必要としないのだもの。人の目の色を忖度して稼ぐような変な鋭さだけ発達し、その変な鋭さをこの町では利巧と云うような悲しい趣きがありはしないかね。田舎豪傑の政宗も根はそれだけの人であったのさ。そして変な鋭さがいつもヤブニラミで的を外れていたのさ。
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この県には三陸の漁場をひかえて、塩竈、石巻という二ツの市、気仙沼、女川、渡波などという漁港がある。ほかに、金華山にちかく、牡鹿半島の尖端に鮎川という鯨専門の漁港がある。