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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
03 伊達政宗の城へ乗込む――仙台の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,085 字 · 48 页
築城まもなく大坂の陣も終って天下に平和到来し、政宗も本丸の所在地が高い山のテッペンすぎるのを新発見してウンザリしたらしいね。築城の第一候補地は石巻の日和山であったなどと云いだしたのは、それから後のことだろう。時世に合せて、気がつきもしたし、前から気がついていたように、言いふらしたくもなったような気がするね。いつも後手後手と気がついた男で、それで生涯冷汗をかいていたのが政宗さ。オレ一代限りでテッペンの本丸をやめて、フモトの低いところへうつせ、と云いのこして死んだそうだ。そこで二代目から本当にフモトへ本丸をうつしたよ。拙者だけが登り道に苦労したわけではなかったのさ。すでに城を造った当人が登り降りにウンザリしていたのだ。ところがこのテッペンの本丸跡に護国神社が出来ていたね。参拝の子供たちがさぞ悩まされたことだろうよ。軍人だの役人は罪なことをするものさ。三百五十年前の片目の田舎豪傑だけの智恵も分別もないのだね。
彼が生れて育った少年時代は、信長が天下を席捲し威名カクカクたる時代であった。信長の威風や逸話は事ごとに馬よりも速く奥州の山奥まで届いていたのだろう。