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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
03 伊達政宗の城へ乗込む――仙台の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,085 字 · 48 页
彼の戦争ぶりやコンタンを見ると、信長の逸話的な方法に甚大な影響をうけて育ったコンセキがあるね。二十四になってもザンギリ髪の異形をしていたところなど、少年時代の信長をホーフツさせる珍話だろう。二十四にもなったら、もうちょッと威儀を正して然るべきだが、そこが田舎豪傑たるところだ。もっとも幼児の時に天然痘で片目がつぶれたそうだ。ヘタに威儀をはって片目のニラミがヤブニラミに見えては困るだろうから、ザンギリの異形によって片目をひきたてるコンタンだったかも知れないな。そういう化粧法的な心得や戦略にはヌカリのない田舎豪傑であった。
時代のせいではあるにしても、信長に似せようという心掛けは上出来であったが、同じように信長の方法をふんだ秀吉が、新時代に即応して変化すべきことを心得ていたに反して、政宗には、それがない。バカの一ツ覚えである。ここが田舎豪傑たる彼の宿命のところであった。信長に学ぶならばその精神、その思想の原則をなすものを見習うべきである。信長は彼の生きた時代に於てはあのように行った。しかし新しい時代に彼ありせば、それに即応して別のように行ったであろう。