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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
05 消え失せた沙漠―大島の巻――
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,648 字 · 26 页
内地を一昼夜特急で走っても、これほど風習の差のあるところはめったに見られない。
この変った風習のモトについて多少とも解説できればと思ったが、私の調べたところではとても見当がつかない。
富士山麓は三島の宿の三島明神は東海道では熱田神宮につぐ大社であり、熱田が皇神であるにくらべて、これは事代主(また古からの別説では大ヤマズミノミコトともいう)を祀った日本土着の大親分が祭神なのである。
大昔に神様の一族が三宅島へきて伊予の三島神社を勧請したのを、さらに伊豆の白浜を経て三島へ勧請したものだという。途中に立寄った白浜は今の白浜明神がそれだということだ。これが三島神社の古伝だそうである。
伊予の三島神社というのは瀬戸内海の大三島(オーミシマ)の三島神社であろう。この祭神は大ヤマズミで三島神社の古伝と合っている。延喜式神祗巻では伊豆の三島神社、白浜の伊古奈比命神社、ともに名神社であり奈良朝時代から朝廷の封戸をうけたというから三宅島から三島へ移ったのはずいぶん昔のことだ。だから古伝を信用すると、すくなくとも三宅島には奈良朝以前に大ヤマズミを祖神にいただく一族が土着したものらしい。